正弦定理・余弦定理への入り口 ― 直角がなくても使える
直角がない三角形でも使える正弦定理と余弦定理を、図つきでやさしく解説。手持ちの情報からどちらを使うか即決できる見分け表つきの最終回です。
make sense 編集部 ・ 公開 2026/6/13
世の中の三角形に、つねに直角があるとは限りませんよね。最後の回では、 直角ナシでもOKな2つの定理を紹介します。むずかしい証明は教科書にまかせて、 ここでは「何ができて、いつ使うか」だけ押さえましょう。それで実戦は戦えます。
記号の約束って、どう決めるの?
定理の式を読む前に、辺と角の名前のルールだけ先に決めます。これがゴチャつくと公式がただの記号の羅列に見えてしまうので、ここだけは丁寧にいきましょう。
三角形 で、頂点 の向かいにある辺を、それぞれ とします。「角 の真向かいが辺 」という、大文字と小文字がペアになる素直な対応です。
このペアさえ頭に入れば、これから出てくる式は「自分と向かいの相手をセットにしているだけ」と読めるようになります。
正弦定理とは?辺と「向かいの角」をセットで考える
正弦定理は、辺とその向かいの角の sin の比が、どの組でも等しいという話です。
「辺 と角 」「辺 と角 」「辺 と角 」――この向かい合うペアで割り算すると、どこも同じ値になる、というのが言いたいことです。
は外接円(3つの頂点を通る円)の半径。…が、 は今は気にしなくてOK。 大事なのは「辺 ÷ 向かいの角のsin がどこも同じ」というところです。
いつ使う?
- 「1辺とその向かいの角」がわかっていて、別の辺や角を出したいとき。
- 「2つの角と1辺」から残りを出したいとき。
たとえば 、、 のとき、辺 は
比の式を立てて解くだけ。「辺と向かいの角がペアで見えたら正弦定理」と覚えましょう。
余弦定理とは?ピタゴラスの定理の進化版
余弦定理は、2辺とそのあいだの角から、残りの1辺を出します。角 をはさむ2辺が 、求めたいのが向かいの辺 です。
よく見るとこれ、ピタゴラスの定理にオマケ(補正項)がくっついた形なんです。 もし なら なので最後の項が消えて、
という見慣れた式に戻ります。つまり余弦定理は、直角に限らないピタゴラスの定理。 「ピタゴラスの上位互換」とイメージすると親しみがわきます。
いつ使う?
- 「2辺とそのあいだの角」から残りの辺を出したいとき。
- 「3辺」がわかっていて角を出したいとき(式を について解く)。
どっちを使うか、どう見分ける?
迷ったら、いま何がわかっているかで選びます。
| わかっている情報 | 使う定理 |
|---|---|
| 1辺と向かいの角+もう1組 | 正弦定理 |
| 2辺とそのあいだの角 | 余弦定理 |
| 3辺すべて | 余弦定理 |
これで「三角比入門」シリーズは完結です。直角三角形の3つの比から始めて、 どんな三角形でも辺と角を行き来できるところまで来ました。お疲れさまでした。 あとは問題を解いて、手を動かして定着させましょう。0→1は、もうクリアです。
よくある質問
- Q. 正弦定理と余弦定理の使い分けは?
- A. 辺とその向かいの角がペアで見えるなら正弦定理、2辺とそのあいだの角または3辺がわかっているなら余弦定理を使います。
- Q. 余弦定理とピタゴラスの定理の関係は?
- A. 角Aが90°のとき、cos90°=0で補正項が消え、余弦定理 a²=b²+c²−2bc·cosA はピタゴラスの定理 a²=b²+c² に一致します。
- Q. 正弦定理の2Rは何?
- A. Rは三角形の3頂点を通る外接円の半径です。辺÷向かいの角のsinが、外接円の直径2Rに等しいという意味になります。
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