数学 約8分

直角三角形と三角比 ― まずは3つの辺の名前から

三角比はここから。直角三角形の対辺・隣辺・斜辺を、注目する角θから一発で見分けるコツを、前提知識ゼロでやさしく解説します。

make sense 編集部 ・ 公開 2026/6/10

「三角比」と聞くと身構えてしまう人、めちゃくちゃ多いです。でも安心してください。 スタートはとても地味で、直角三角形の辺に名前をつける、それだけです。 ここさえ押さえれば、あとは一本道で進みます。

そもそも三角比って何のためにあるの?

ひとことで言うと、直接は測れない長さを、角度と1辺から計算でズルするための道具です。

たとえば「木の根元から15m離れて見上げたら、角度が30度だった。木の高さは?」。 ハシゴをかけて測るのはしんどいですよね。でも三角比を使うと、これが計算一発で出ます。

その”ズルの正体”が、これから出てくる sin・cos・tan という3つの比です。 …が、今回はまだ使いません。まずは下ごしらえ(辺の名前)からいきましょう。

直角三角形の3つの辺って、それぞれ何?

下のように、直角(90度)を1つ持つ三角形を考えます。注目する角を θ\theta(シータ)と すると、3つの辺にはそれぞれ名前がついています。

θ 隣辺 対辺 斜辺
  • 斜辺(しゃへん): 直角の真向かいにある、いちばん長い辺。三角形の”背骨”みたいなやつです。
  • 対辺(たいへん): 注目する角 θ\theta向かい側にある辺。「θから見て正面」と覚えればOK。
  • 隣辺(りんぺん): 角 θ\thetaとなり合う辺(斜辺じゃないほう)。

迷ったらこの順番で決める

名前を当てるのが不安なら、次の順でいけば確実です。

  1. まず斜辺を探す(直角の向かい=いちばん長い)。
  2. 次に θ\theta正面にある辺。それが対辺
  3. 余ったもう1本が隣辺

ポイントは、斜辺は固定だけど、対辺と隣辺は「どの角に注目するか」で入れかわること。 ここが最初のつまずきポイントなので、先に言っておきますね。

注目する角を変えたら、辺の名前はどうなる?

同じ三角形でも、見る角を反対側の角 φ\varphi(ファイ)にすると、対辺と隣辺が役割交代します。

φ 隣辺 対辺 斜辺

斜辺だけは何があっても変わりません。「対辺・隣辺は角しだい、斜辺はいつも同じ」。 これだけ頭に置いておけば大丈夫です。

辺の名前が見分けられれば、下ごしらえは完了です。次回、いよいよ sin・cos・tan の登場。 やることは「辺の割り算」だけなので、気楽に来てください。

よくある質問

Q. 対辺と隣辺はどう見分ける?
A. 注目する角の正面にある辺が対辺、となり合う辺(斜辺以外)が隣辺です。斜辺は直角の真向かいで、注目する角を変えても変わりません。
Q. 三角比は何のために使うの?
A. 角度と1辺の長さから、直接は測れない長さ(木やビルの高さなど)を計算で求めるために使います。
Q. 対辺・隣辺・斜辺は注目する角で変わる?
A. 斜辺は直角の向かいで固定ですが、対辺と隣辺はどの角に注目するかで役割が入れかわります。

次に読む

この勢いで、もう1本いっとこう。

sin・cos・tan の定義 ― 3つの比で角を表す →