数学 約10分

sin・cos・tan の定義 ― 3つの比で角を表す

sin・cos・tanは「辺わる辺」のただの割り算。定義をスライダーで動かして体感し、30°・45°・60°の値まで一気にマスターできる入門記事です。

make sense 編集部 ・ 公開 2026/6/11

前回は直角三角形の 斜辺・対辺・隣辺 を見分けられるようになりました。 いよいよ本題、sin・cos・tan です。とはいえ身構えなくて大丈夫。 全部ただの割り算です。

sin・cos・tan ってどう決めるの?

θ\theta に対して、3つの比をこう決めます。

sinθ=対辺斜辺,cosθ=隣辺斜辺,tanθ=対辺隣辺\sin\theta = \frac{\text{対辺}}{\text{斜辺}}, \quad \cos\theta = \frac{\text{隣辺}}{\text{斜辺}}, \quad \tan\theta = \frac{\text{対辺}}{\text{隣辺}}
θ 隣辺 対辺 斜辺

読み方は「サイン」「コサイン」「タンジェント」。定義はこれだけです。 あとは「どの辺を上、どの辺を下に置くか」を覚えるだけ。

分子と分母、どっちがどっち? 筆記体でなぞる

分子と分母を取り違えやすいので、筆記体の書き始めをなぞる有名なやつを使います。

  • sin は s の字 → 「辺ぶんの辺」
  • cos は c の字 → 「辺ぶんの辺」
  • tan は t の字 → 「辺ぶんの辺」

文字をなぞる向きが、そのまま「分母→分子」の順になっています。地味に便利です。

スライダーで動かすと一発で腑に落ちる

理屈より、動かしたほうが早いです。下のスライダーで角 θ\theta を変えると、 三角形と sinθ, cosθ, tanθ\sin\theta,\ \cos\theta,\ \tan\theta の値が同時に動きます。 いじり倒してください。

隣辺対辺斜辺θ
sin θ
0.574
cos θ
0.819
tan θ
0.700

動かすと、たぶんこう感じるはずです。

  • θ\theta を大きくすると、対辺がのびて sinθ\sin\thetaどんどん大きく なる。
  • 逆に隣辺は縮むので cosθ\cos\theta小さく なる。
  • sinθ\sin\thetacosθ\cos\theta は、いつも 0011 のあいだ(斜辺がいちばん長いから、はみ出ない)。

「sinは縦のノリ、cosは横のノリ」くらいのザル理解でも、今はじゅうぶんです。

30°・45°・60° の値はどうなる?(ここは覚える)

よく出る 30, 45, 6030^\circ,\ 45^\circ,\ 60^\circ は、値を覚えておくと計算がめちゃ速くなります。

θ\thetasinθ\sin\thetacosθ\cos\thetatanθ\tan\theta
3030^\circ12\dfrac{1}{2}32\dfrac{\sqrt{3}}{2}13\dfrac{1}{\sqrt{3}}
4545^\circ12\dfrac{1}{\sqrt{2}}12\dfrac{1}{\sqrt{2}}11
6060^\circ32\dfrac{\sqrt{3}}{2}12\dfrac{1}{2}3\sqrt{3}

丸暗記がイヤなら、正三角形を半分にした三角形直角二等辺三角形を描けば、 辺の比からいつでも復元できます。「忘れたら描く」で十分戦えます。

実際にどう使う? 辺の長さを求めてみる

斜辺が 1010、角が 3030^\circ の直角三角形で、対辺 xx を求めましょう。

対辺と斜辺の比は sin\sin なので、

sin30=x10\sin 30^\circ = \frac{x}{10}

sin30=12\sin 30^\circ = \dfrac{1}{2} だから、

12=x10x=5\frac{1}{2} = \frac{x}{10} \quad\Longrightarrow\quad x = 5

はい、出ました。角と1辺さえあれば、残りの辺が計算で出る。これが三角比のうまみです。

前回チラ見せした「木の高さ」も、まったく同じ要領です。根元から 15m15\text{m} 離れて見上げた角が 3030^\circ なら、tan30=高さ15\tan 30^\circ = \dfrac{\text{高さ}}{15} なので、高さ =15tan30=1538.7m= 15\tan 30^\circ = \dfrac{15}{\sqrt{3}} \approx 8.7\text{m}。ハシゴいらずで求まりました。

次回は、この3つの比のあいだに隠れた便利すぎる関係式を見つけます。 「1個わかれば全部わかる」やつです。

よくある質問

Q. sin・cos・tanの定義は?
A. sinθ=対辺÷斜辺、cosθ=隣辺÷斜辺、tanθ=対辺÷隣辺。すべて辺と辺の割り算(比)です。
Q. sinとcosの覚え方は?
A. 筆記体の頭文字でなぞるのが定番です。sはsの字で斜辺ぶんの対辺、cはcの字で斜辺ぶんの隣辺、tはtの字で隣辺ぶんの対辺になります。
Q. 30°・45°・60°の値は覚えるべき?
A. はい、頻出なので覚えると速いです。忘れても正三角形を半分にした三角形と直角二等辺三角形を描けば、辺の比から復元できます。

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